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マリファナを合法医薬品とするためのグループ・キャンペーン
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参照項目:
See also: 繊維、食物、燃料マリファナ宗教法律
See also: Medical marijuana links
See also: "Marijuana and Medicine: Assessing the Science Base"

マリファナを合法医薬品とするためのグループ・キャンペーン

著者:ネンデイック・マイケル
訳:鳥居祥子

Note: An earlier version of this article was published in the March 2000 issue of 'The New Observer' <http://www.twics.com/~anzu/index.htm>

もし小笠原健次さんが別の時代に生きていたら、病状改善に必要なその薬は自由 に使うことができたかもしれない。しかし現在の日本でこれを使ったら、犯罪人 となってしまう。その薬とはマリファナ。小笠原さんは、彼自身の闘病生活にき わめて有益なこの薬草を患者が合法的に入手できるようにするための運動を展開 しており、マリファナ(大麻)の医療使用の解禁をめざす非営利団体「JAMM - Japanese Association for Medical Marijuana - 医療大麻を考える会」の創始 者の一人である。

東京都の実業家、34歳の小笠原さんは5年前にMS(Multiple Sclerosis-多発性硬 化症)と診断された。「私の場合は神経と膀胱の調整がきかなくなり、猛烈な痛 み、手足の感覚が麻痺するといった症状が出ました」と小笠原さん。「最初の1 年半は寝たきりで、その後の1年半は車椅子生活でした」処方された薬である程 度改善される症状はあるものの、副作用は大きかった。ステロイドは体重を増加 させ、骨の脆弱化による頻繁な骨折を引き起こし、鬱病を併発させることも多 い。「ステロイドは気分の激変を誘発し、極度の鬱状態になります」。小笠原さ んは自殺したMS患者を何人も知っている。 車椅子生活をしていた頃、彼は、担当医の一人から、MSの痛みの緩和や痙攣抑制 にマリファナが効果があり、医療大麻の研究が進んだハワイにいってみたらどう か、と勧められた。「マリファナって麻薬なんじゃないか」と懐疑的だった小笠 原さんだが、ハワイに行って試してみようと考えるほど、病状は深刻だった。 「ハワイではお医者さんから“非公式に”マリファナを提供してもらい3週間に わたり、1日に3度吸引しました」と小笠原さん。その効果は驚異的だった。ぜひ 世間に知ってもらいたいと考えるようになった。「症状の緩和はすぐに現れまし た。車椅子でハワイに行ったのに、3週間後には歩いて帰国できたんです」寛解 と悪化をくり返すのがMSの特徴であるが、マリファナがMS患者にとって有益な薬 草であることを小笠原さんは確信している。「痛みを和らげてくれますし、気分 的もラクになります。他の医薬品で体験した副作用はまったくありませんでし た」

このような体験は小笠原さんに限ったものではない。米国のカリフォルニア州と アリゾナ州では住民投票で医療マリファナの合法使用が認められ、何千、何万の 重病患者の症状緩和に大きく貢献している。

マリファナに関する2冊の本を著しているハーバード大学医学部教授Lester Grinspoon博士は数百にわたる論文と患者の証言を研究しており、マリファナが 様々な疾病の症状緩和に役立つことに着目している。ガンの化学療法やエイズ治 療薬の副作用である悪心や嘔吐の抑制、エイズ患者の体重減少抑制、てんかん発 作や緑内障、多発性硬化症、脊髄障害による麻痺、四肢麻痺の症状緩和にマリフ ァナは有益である。数多くの処方薬とは異なり、マリファナに致死量がないこ と、依存性がないことは専門家の多くが同意するところである。

日本における大麻

日本ではモルヒネやコカインが合法的な医薬品と認められているにも関わらず、 大麻は禁止されている。大麻の所有、供給、使用はアメリカ占領軍によって1948 年に大麻取締法として非合法化され、それは現在まで続いている。

この法律の下、ヘンプ、カナビス、マリファナ等の名前で呼ばれる大麻の摂取 は、それが医療目的であれ、禁止されており、さらに医師が大麻を処方すること も禁じられている。この二点の法律改正を目的に結成されたのがJAMMである。

ヘンプ食品を使用したレストランやヘンプ製品ショップのオーナーであり、麻に 関する数々の著作のある前田耕一さんもJAMMの創立メンバーの一人である。大麻 が医薬品としてきわめて有益であることが世界各地の研究で証明されていること を彼は指摘する。事実、大麻は何千年も前から治療薬として高く評価されてき た。治療を目的とした大麻に関する最も古い記述によれば、紀元前2737年に中国 の神農皇帝が使用したという。「痛みや喘息、不眠症に効く安全で自然な薬草と して、大麻は日本でも古くから利用されてきたものなんです」と前田さん。

大麻は日本の歴史に深く根ざしている植物である。1万年前の縄文時代には繊維 用に栽培され、伝統的には清めのシンボルとして尊重されてきた。現在でさえ も、相撲、神道儀式で使用される縄や衣類は大麻草の繊維で作られており、天皇 の即位式で使用されるものもその例外ではない。

政府によって栽培を許可されている農家が多少存在するとはいえ、それ以外の国 民に対する日本政府の態度は「ダメ。ゼッタイ。」に終始しており、大麻所有は 最高5年の禁固刑である。情報不足の政府の頑な態度に前田さんは業を煮やして いる。「厚生省は大麻を危険なドラッグだと言っていますが、厚生省が大麻の肉 体的、精神的な薬効に関する調査を行ったことはないんです」

海外の現状

医療大麻に好意的な研究が次々と出されているにも関わらず、海外でも各国政府 は世論や専門家の意見に耳を貸すことを頑固に拒んでいる。しかし、住民投票や 法廷での判決など、政府に対する法的なチャレンジは日増しに勢いを増してい る。

1999年3月には、米国政府から研究資金を得て医学研究所(IOM: Institute of Medicine)が実施した研究レポートが、「大麻の摂取は、特定の患者にとって、 摂取によるリスクを上回る治療的有益性がある」ことを示す「相当規模の合意」 を見たと報告した。同報告書は、「痛みやエイズによる憔悴といった慢性的症状 を呈する患者にとって、大麻吸引以外、症状が緩和される明瞭な代替方法がない ことを認識」し、医師による個別のマリファナ臨床研究を許可することによって 患者のマリファナ入手を可能にする勧告書が出されたが、米国政府はそれを拒否 した。

1996年の選挙において、アリゾナとカリフォルニアでは、医師が承認した患者に 対する医療大麻を認める住民投票を採決した。州法で認められたにも関わらず、 これらの州、そして米国全土では合衆国連邦法を根拠とした医療大麻使用者に対 する逮捕例は後を絶たず、医療薬を拒否されて亡くなった患者も少なくない。

スイスやオランダでは少量の大麻所持はすでに刑罰の対象からはずされている。

英国では国民のほとんどが大麻の医療使用に賛成しており、政府機関の一部にも その声は強い。1998年11月には、英国上院の科学委員会が医師による大麻の処 方、患者による使用の合法化を政府に対し推奨した。医薬品基準に必要とされる 大麻の長期臨床試験を認可したものの、政府は即刻の医療大麻開放を求める上院 の推奨を拒絶。とはいえ、医療目的で大麻を所持し逮捕された人々に対し、英国 法廷の陪審員が無罪判決を下すという、現行の法律に矛盾する状況が生まれつつ ある。

本年7月31日には、てんかん患者の訴えを受けたカナダのオンタリオ最高裁が 「医療大麻という見地を許容しない点において、大麻所持禁止そのものが憲法に 違反する」という見解を示し、1年以内に政府が大麻法を改正しなければ、政府 が敗訴するという採決を下した。

なぜこれほど、各国政府はマリファナ合法化を拒み、医療目的の使用さえも認め ようとしないのだろうか?マリファナに対して国民が抱く一般的なイメージを考 えれば、その答えは明らかだ。米国でマリファナが取り締まりの対象となったの は1937年。暴力、狂気を引き起こす危険な薬物として宣伝された。マリファナが 暴力、狂気を引き起こすというシナリオに根拠がないことが明らかになった今 も、その「神話」はしっかりと引き継がれている。政治家はきわめて保守的な環 境に生きており、麻薬関連の法律改正には躊躇せざるを得ない。他の政治家、マ スコミ、後援者から「ドラッグに甘い」と見られることは、ほとんどの政治家に とって、政治家生命に終止符をうつ自殺行為に等しい。世界中の市民、患者、法 律家、裁判官、医師、科学者が大麻の医療使用の合法化を求めているにも関わら ず、政府首脳は首を縦に振るわけにはいかないのである。

JAMMが結成されたのは昨年。MS患者とその家族、薬剤師、ジャーナリスト、作 家、市民団体活動家、弁護士、サラリーマン、そして前述のレストランオーナー といったまったく世界の違う個人が集まった。「月に2回ほど集まって、大麻の 用途について研究しています」と前田さん。「研究会を重ねるにつれ、治療薬と しての大麻の価値に確信を持つようになりました。法律は絶対に変えなくてはな りません」

その目的を達成するために、JAMMではいくつかの戦略を立てている。その中心に なるのが、「大麻は医療品として有益」という一般市民の理解を促すことであ る。「究極的には、法律改正を求めているんですが」と前田さん。「そのために はまず、国民の認識を変える必要があり、特に医療関係者の方々に大麻の真の姿 を理解してほしいと思います。患者さんやお医者さんの大麻に関する認識が変わ れば、そこからが法律改正への動きがでてくるでしょう」 

医療大麻は医師の間でもほとんど知られていない。「医大で使われる教科書には 大麻に関する記述が数行しかありませんから、医療目的の使用については医療関 係者も何も知らないのです」 控えめながらも、医療大麻に強い関心を示す医師 は少なくないことを前田さんは指摘する。「ガンの専門医と話したのですが、大 変興味を持たれたようでした。患者のためになることなら、何にでも興味を持 つ。それがすべてのお医者さんの基本的な姿勢です」

大麻取締法の緩和が大麻の乱用につながると考える人もいる。しかし、医学面で のモルヒネやコカインの使用は非合法な乱用につながっていない。「医療大麻の 管理は医療施設の責任とすべきでしょう」と前田さん。「一般人に広がることを 懸念して医療大麻を禁じることはばかげています」

前田さんは続ける。「患者さんは効果があるすべての医薬品を手に入れる権利が あります。大麻の医療使用を許可してほしい、という患者さんや家族の方々の悲 痛な叫びに早急に対応するよう、私たちのグループは政府に求めているんです。 もし、医師による研究という道さえ開けば、法律は変わると思います」

MSの治療に大麻が果たす貴重な役割を前田さんは指摘する。「MSに効果的な薬は 少なく、大麻が一番効果的です。MSの病状管理にマリファナがきわめて効果的で あることは(海外の研究で)広く裏付けられています。MSを完治させるわけでは ありませんが、苦痛に満ちた様々な症状を抑えることができます」国民一般のマ リファナに対するイメージに関し、「中毒性のある危険なドラッグだと考えてい る人が多いのですが、それはまったく違います。中毒性はまったくありません」

小笠原さんは、JAMMを正確な情報を提供するツールと考える。「恐ろしいドラッ グから有益な医薬品へ、大麻のイメージを変えなくては、と思います。自分の国 で、このきわめて有益な医療品を摂取したいと切望しています」

現在、非営利団体の登録申請中のJAMMだが、そのメッセージがより多くの人に届 くにつれ、サポートの輪は広がって行くことだろう。JAMMでは医療大麻について もっと知りたいという方々からの問い合わせを歓迎しており、ボランティアや寄 付、会員を募集している。

JAMM(医療大麻を考える会)の連絡先:
メ医療大麻を考える会
郵便番号202-0015
東京都保谷郵便局
私書箱7
電話/ファックス:0424-63-4589
ホームページ:<http://www.iryoTaima.org>
Eメール:[email protected]

(JAMMのホームページは現在のところ日本語。英語版もまもなく開設の予定)米 国政府の1999 Institute of Medicine Studyの詳細は以下で閲覧できます(英語 のみ): <http://www.mpp.org/science.htm>
厚生省の「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ(日本語): <http://www.dapc.or.jp/info/index-i.htm>

Links:
See also: Japan Medical Marijuana Association in Japanese
See also: ACMed (Germany)
See also: The British Medical Journal Editorial (1995)
See also: New England Journal of Medicine Editorial (1997)
See also: Affidavit by Dr. Grinspoon (Canada, 1997)
See also: Affidavit by Bryan A. Krumm (1999)
See also: Marijuana Policy Project on medical uses of marijuana
See also: Carl. E. Olsen's Marijuana Archive
See also: Californians for Compassionate Use
See also: Medical Marijuana Magazine
See also: Will Foster, Oklahoma rheumatoid arthritis sufferer: 93 years in jail!
See also: GW Pharmaceuticals (UK)

See also:
See also: Hemp in religion, for fibre, food and fuel, as a "drug".



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